Slungは英国ブライトン出身のヘヴィーロックバンド。ヴォーカルのKatie Oldham、ギターのAli Johnson、ベースのVlad Matveikov、ドラムのRavi Martinからなるカルテット。幅広い音域の表情豊かなヴォーカリゼーションと、不吉でアグレッシブなギターリフ、地鳴りのようにうなるリズム隊セクションが一体となり、Deftones、Queens of the Stone Age、Mastodonなどのヘヴィーロックから、Fleetwood Macなどのトラディショナルなバンドに影響を受けながら、モダンなフィルターで再構築された重厚なオルタナティブサウンドを奏でる。耽美なシューゲイザー的なパートもあり、さらに幅広いリスナーに受け入れられそうだ。バンドは2009年頃、VladとAliの出会いを発端に、運命的に集結したメンバーで構成される。当初はVladのスタジオワークをメインに、さまざまなメンバーとのコラボレーションを重ねて楽曲アイデアを錬成、やがて現在のラインナップが固まったのちは、地元ブライトンを中心にライブ活動を重ねながら、徐々に知名度を獲得して行った。2024年末にデジタルのみのシングル2作品『Neurotic』『Fire to Burn』をリリース。オンオフの音楽関連メディアでも取り上げられた。2025年には、待望のデビューアルバム『In Ways』を発表し、全英を回る大規模なツアーを実施予定だ。彼らが拠点とするブライトンは決して大都市では無いが、非常に音楽が盛んな場所。ブリットポップやクラブミュージックのイメージが強いが、ヘヴィメタルやハードロック、オルタナティブ系譜のサウンドも根付いており、さまざまなジャンルとクロスオーバーしながら現在進行形のポジティブなシーンが形成されている。『In Ways』でも、Sick JoyやCLT DRPなど同郷で親交の深いバンドのメンバーとのコラボレーション楽曲が含まれている。全ての曲の作詞もヴォーカルのKatieが手がけ、彼女自身の人生観やパーソナルなフィルターを通してさまざまなテーマが描かれ、煽情的なスクリームと語りかけるようなウィスパーを駆使して、それらの物語を強烈にアウトプットする。テレキャスターとFenderやOrangeのアンプヘッドから奏でられるAliのギターリフは、オーセンティックなハードロック、ストーナーロック的な質感もありつつ、ただ懐古的なだけではないアイデアに満ちたアレンジでアルバム全体を牽引し、バンドサウンドに新鮮な魅力を与えている。プロモーション映像もすでに何本か制作されており、公式YouTubeチャンネルでチェックできる。ビジュアルコンセプトやメンバーのルックスやファッションも70年代あたりのムードを意識したような雰囲気でサウンドと非常にマッチしている。ここ日本ではもちろん知名度は無い彼らだが、本作リリースを契機に今後はワールドワイドな活動も期待されており、いずれはジャパンツアーの可能性も?サウンドの特徴を端的に捉えてヘヴィーロックと述べたが、その層に限定せずアピールできるポテンシャルを持っている彼ら。今後の動向を是非ともチェックされたし…!
