遂に、5月の来日公演とセカンドアルバム「COME TO MEXICO」の日本盤リリースを記念として、
DrumsのBertrand Jamesに直接インタビューを行いました。
バンド結成の経緯やバンド名の由来、そしてTOTORROのサウンドが脚光を浴びるようになった状況などを踏まえた、彼らの今を知ることができます。

Interview & translation by
Toshiyuki Tabata

TOTORROについて、結成の経緯やメンバー、バンド名の由来など日本のリスナーに自己紹介してください。

Bertrand ボンジュール!TOTORROです。フランスのレンヌ出身のPost Rock / Math Rockバンドです。実はキャリアとしてはけっこう長くて、二人のギタリストChristopheとJonathanはもう10年以上前に同級生としてハイスクールで出会って、その頃から一緒に活動を始めていました。その後、Jahvier(Ba)がグループに加入して、最終的に僕が前任のKevinの代わりに加入したのが2009年。以来、TOTORROとして現在の体制で活動しています。バンド名を考えついたのはずっと前だね。さっきの二人のギタリストがこのバンドを結成したときだから、もう10年前だよ。彼らは宮崎駿のファンで、特に「となりのトトロ」が好きだったからだね。それで「R」を一個付け足してこうなった。だからこのバンドは、いつも、ちょっとした日本のカルチャーに影響を受けていたと言えるかもしれないね。

結成当初は、激情系のハードコアや轟音ポストロックなどから影響を感じられた音だったけど…。「HOME ALNOE」をリリースするときに今のようなスタイルになった経緯は何か変化や影響があったの?

Bertrand 確かに初期のEPではより暗く、エモやスクリーモの影響があったと思うよ。実は、「HOME ALONE」の曲を書く直前に、レンヌで多くの新しい友人ができたこともあって、彼らがいろいろなバンドを教えてくれたことかな。ざっくり言うと、Mermonteやfago.sepiaのみんながよりポップな要素の多い音源を聴かせてくれて、ほんとに自然と今のような方向性に向かっていったね。

前作の「HOME ALONE」をリリースするときは、今の状況を想像できた?

Bertrand 「HOME ALONE」のレコーディングを進めているときには、このアルバムが持っていたインパクトをまったく想像できなかったと思うよ。特に海外での反響だね。「世界中からこのアルバムは最高だ!」って言う内容のメールをたくさんもらったよ。日本では僕らの曲をカバーしているバンドもいるしね!このアルバムのおかげで、いろいろな国で演奏できるようになって、本当に嬉しいよ。

TOTORROの楽曲を制作する過程で、各メンバーがどのように携わっているの?

Bertrand 特にルールがあるわけではなくて、気分次第かな。普段は4人揃ってスタジオに入って、音を鳴らしてみて何が出てくるかを見るという感じ。それから、楽曲を再構成したり、必要なものを補ってみたりして、ようやく曲として出来上がる。メンバー全員がすべての作曲に携わっているよ。

「COME TO MEXICO」をリリースして、あなた方の音楽スタイルがかなり完成されたと思われるけど…。ギターリフの馴染みやすさやメロディーラインとそれをしっかり支えるリズムパート、そして何よりどこか遊び心があるように思わせる楽曲構成は綿密に計算されて作っているの?
常にインストを意識して楽曲を作っているの?(コーラスは入っているけど、歌うことはしないの?)

Bertrand なぜボーカルを入れないのかって言うと、それはどうやっていいか分からないから!もう少し真面目に言うと、これまでずっとインストが好きだったし、だから今までそんなことは考えたことがないかな。僕が思うに、それは僕らの力になっている。歌がなかったとしても、それはたいしたことじゃない。むしろ、普遍的な音楽になるし、歌が無いことで理解に困ることもない。スタイルについては、そんなに計算しているわけではないよ。ひとりでにそうなっているし、本能的に生まれてくるものだね!

「COME TO MEXICO」のタイトルの由来は?
アルバムをリリースする前からメキシコ行きが決まっていたの?

Bertrand 実は、最初はただの冗談だった。たくさんのメッセージをくれるメキシコのファンたちがいて、彼らがいつも “Come To Mexico” って書いてくれていた。そしたら、そのままアルバムのタイトルになったよ。アルバムの名前を発表した後に、メキシコ人のプロモーターからこっちに来て演奏しないかと連絡をもらったから偶然だったかもね。

各メンバー課外活動も頻繁に行っているけど…。どんな音楽やアーティストと活動しているの?
また、あなた方が住んでいるRENNESと言う街の音楽シーンについても教えてもらえるかな。

Bertrand 以前はいろいろとサイドプロジェクトを抱えていたけど、今ではTOTORROに多くの時間を費やしていて、別のことをやっている余裕がないかなぁ。とは言え、JonathanはMHA(fago.sépiaのFlorian Jamelotのプロジェクト)という仲間たちのバンドでプレイしているし、JahvierはPOPバンドのThe Missing Seasonでもプレイしている。ところで、RENNESの音楽シーンについてだけど、その中心にいるのはやっぱり Mermonteじゃないかな。

昨年から続いている「COME TO MEXICO」のメキシコやEUのツアーはどうだった?

Bertrand 今のところ、何もかも最高にうまくいっているよ。みんなが観に来てくれるし、ライブでもとても喜んでくれている。メキシコでのライブでは特別扱いだったし・・・ほんとヤバいくらい最高だった!彼らは全部の曲を知っていて、あちこちで飛び跳ねて楽しんでいたよ!

今回のツアーで50本以上のライブを行ってきたわけだけど…。ライブをする時に気を付けていることなどある?
オーディエンスを盛り上げるようなライブパフォーマンスを意識しているとか?

Bertrand そうだね、すでに多くの場所でライブをこのツアーで経験してきたけど、まだまだたくさん残っているし、これから始めて行く場所もあって、それもまた嬉しいかな。ライブでは、すべてのオーディエンスが良い時間を過ごせるように頑張っているよ。みんなが幸せな時間を共有しているのを見るのはとても気持ちが良いものさ!

今回、初めて日本でライブをすることになったけど、率直な感想は?
日本についての印象など…。

Bertrand 最高に嬉しいし、とても興奮しているよ。特に日本に強い思い入れを持っているメンバーもいるし、夢が実現するという感じかな!僕たちのことを待ってくれているオーディエンスがいることも知っているし、日本のファンに会うのが待ち遠しくてたまらないよ!

日本でやってみたいことや行きたいことなどある?
きゃりーぱみゅぱみゅに会いたい?(笑)

Bertrand 現地のカルチャーを吸収したいね!たぶん、渋谷あたりをぶらぶら観光してみるかな。できれば日本の伝統的なタトゥーを入れてみたいね、最高に美しいから!きゃりーぱみゅぱみゅに会えたら最高だろうなぁ~。根っからのファンだし、彼女の音楽はよく聴いているよ。

次回のアルバムの構想とか今後の展開など考えている?

Bertrand 今はまだ、たくさんのライブがあって、今後のことを考えている余裕はないかな。まだ一曲も新しい曲を作ってないからね。

最後に日本のリスナーにメッセージをもらえるかな。

Bertrand ついにみんなに会いに行くことができてとても嬉しいし、とても興奮しているよ!みんなのために演奏できることが幸せだね!