Neighboring Soundsは、北欧ノルウェーはベルゲン出身のエモ/インディーロックバンド。日本での知名度は高くないが、前身バンドから数えてキャリア約20年のベテランだ。Bandcamp等の公式プロフィールでは、初期のJimmy Eat WorldやThe Get Up Kids、Jealous Sound、そしてStarmarketやFiresideなど90年代のヨーロッパのエモバンドを彷彿とさせる…となっているが、エモと呼ばれるサウンドが劇的に変容・多様化したこの20数年を経て、レガシー化しつつある先人たちのスタイルを継承している稀有な存在と言える。母体となるバンド、Crashは2000年に始動。そこから、バンド名を改名して、"The First Cut"というバンドを経て、Bouvetで再活動を開始〜現在のバンド名になったのは2014年のこと。Crash時代には、あのTexas is The ReasonのGarrett擁するSoleaとのスプリットもリリースしている。そして2016年には、BeezewaxのKenneth Ishak とともにレコーディングを行った3曲入りの7インチEPを発表。そこから着実に活動を続け、パンデミックの期間を含む7年の月日を経て待望のフルアルバム『Cold in the Smart City』を各国レーベル合同でリリースする。そこに名を連ねるのは、Friend Club Records(アメリカ)、Bcore(スペイン)、Adagio830(ドイツ)、Strictly No Capital Letters(イギリス)、Lilla Himmel(ノルウェー)、Sound Fiction(ノルウェー)と言った名門レーベルたち。そしてFriend of Mineも栄誉ある日本でのリリースライセンスを獲得した。北欧エモと言えば、前述のStarmaerketやFireside、直近で発掘音源が話題となったFar Apartなどのスウェーデン出身のバンド、ノルウェー出身のBeezwaxなどが有名で、ここ日本でも来日招聘の動員含め根強い人気を得ていることはこのレコードを手に取った貴方なら、言わずもがな周知の事実。ここ日本よりも四季の寒暖がはっきりしている北欧の気候や風土に由来するものなのか?共通するエッセンスとして熱い疾走感、相反するクールで耽美とも言える側面の象徴的なコントラストと、泣きの要素も含めたメロディックな節回しが、そのサウンド面での特徴として挙げられる。ノルウェーと言えば、オーロラやヴァイキング、ブラックメタルからサーモン、サウナ?など・・・音楽に留まらない、さまざまなカルチャーでも有名だが、かつての先人たちのスタイルにとどまらない現在進行形のディープなエモ/インディーシーンが形成されている。今なお一線で活動するBeezwaxを筆頭に、Neighboring Soundsでもベースを担当するAndersが在籍するFlight Mode(最近アメリカのTiny Enginesとサイン)やYouth Pictures of Florence Henderson、Youth〜のドラマーによるYou Could Be A Copなどワールドワイドで注目を集める実力派バンドが活躍し、そこに続く若い世代のフォロワーバンドも多数。本作も含めて内外の優良バンドを手掛けるLilla HimmelやSound Fictionをはじめ、日本のアーティストもライセンスリリースするSlow Dance Recordsなど活発なレーベルも存在し、ユーザーの層も厚そうだ。サウンドのスタイルも多様化する流れのなか、Neighboring Soundsが奏でるのは90年代のエモを体験した少年たちが大人に成長してなお、その初期衝動を最大出力で具現化しようとするが如き正統派エモサウンド。斬新なアレンジもトリッキーなギミックも無く、ひたすらストレートに突き抜ける爽快さ。その美麗なヴォーカルハーモニーと畳みかけるような絡み合うツインギターのオクターブリフは、当時を駆け抜けたミドル世代以上の心を確実に熱くするはずだし、失われたその時代に想いを馳せる若い世代のキッズのハートにもきっと響くに違いない。「レガシー」=過ぎ去った時代の価値をただ懐古的に追うことではない。それを継承し、体現する者たちがいてこそ、その真価は発揮されるはず。Neighboring Soundsはまさにそんな存在だし、本先「Cold in the Smart City」には、90年代から現在までを駆け抜けたエモの真髄が、熱量たっぷりにパッケージされている。
Cold in the Smart City
01.Cold In The Smart City
02.No Commons
03.Grandhotel
04.Of The Woods
05.Polis
06.Drown
07.Holiday Palaces
08.Exist, That_s All
09.Entre Nous
10.Sleepercar
FOMR-0102 LP
オープンプライス
2024年1月中旬発売予定 全10曲
※Friend Club Records (アメリカ)、Bcore (スペイン)、Adagio 830 (ドイツ)、Strictly No Capital Letters (イギリス)、Lilla Himmel(ノルウェー)、Sound Fiction(ノルウェー)と共同リリース。
Neighboring Soundsは、北欧ノルウェーはベルゲン出身のエモ/インディーロックバンド。日本での知名度は高くないが、前身バンドから数えてキャリア約20年のベテランだ。Bandcamp等の公式プロフィールでは、初期のJimmy Eat WorldやThe Get Up Kids、Jealous Sound、そしてStarmarketやFiresideなど90年代のヨーロッパのエモバンドを彷彿とさせる…となっているが、エモと呼ばれるサウンドが劇的に変容・多様化したこの20数年を経て、レガシー化しつつある先人たちのスタイルを継承している稀有な存在と言える。母体となるバンド、Crashは2000年に始動。そこから、バンド名を改名して、"The First Cut"というバンドを経て、Bouvetで再活動を開始〜現在のバンド名になったのは2014年のこと。Crash時代には、あのTexas is The ReasonのGarrett擁するSoleaとのスプリットもリリースしている。そして2016年には、BeezewaxのKenneth Ishak とともにレコーディングを行った3曲入りの7インチEPを発表。そこから着実に活動を続け、パンデミックの期間を含む7年の月日を経て待望のフルアルバム『Cold in the Smart City』を各国レーベル合同でリリースする。そこに名を連ねるのは、Friend Club Records(アメリカ)、Bcore(スペイン)、Adagio830(ドイツ)、Strictly No Capital Letters(イギリス)、Lilla Himmel(ノルウェー)、Sound Fiction(ノルウェー)と言った名門レーベルたち。そしてFriend of Mineも栄誉ある日本でのリリースライセンスを獲得した。北欧エモと言えば、前述のStarmaerketやFireside、直近で発掘音源が話題となったFar Apartなどのスウェーデン出身のバンド、ノルウェー出身のBeezwaxなどが有名で、ここ日本でも来日招聘の動員含め根強い人気を得ていることはこのレコードを手に取った貴方なら、言わずもがな周知の事実。ここ日本よりも四季の寒暖がはっきりしている北欧の気候や風土に由来するものなのか?共通するエッセンスとして熱い疾走感、相反するクールで耽美とも言える側面の象徴的なコントラストと、泣きの要素も含めたメロディックな節回しが、そのサウンド面での特徴として挙げられる。ノルウェーと言えば、オーロラやヴァイキング、ブラックメタルからサーモン、サウナ?など・・・音楽に留まらない、さまざまなカルチャーでも有名だが、かつての先人たちのスタイルにとどまらない現在進行形のディープなエモ/インディーシーンが形成されている。今なお一線で活動するBeezwaxを筆頭に、Neighboring Soundsでもベースを担当するAndersが在籍するFlight Mode(最近アメリカのTiny Enginesとサイン)やYouth Pictures of Florence Henderson、Youth〜のドラマーによるYou Could Be A Copなどワールドワイドで注目を集める実力派バンドが活躍し、そこに続く若い世代のフォロワーバンドも多数。本作も含めて内外の優良バンドを手掛けるLilla HimmelやSound Fictionをはじめ、日本のアーティストもライセンスリリースするSlow Dance Recordsなど活発なレーベルも存在し、ユーザーの層も厚そうだ。サウンドのスタイルも多様化する流れのなか、Neighboring Soundsが奏でるのは90年代のエモを体験した少年たちが大人に成長してなお、その初期衝動を最大出力で具現化しようとするが如き正統派エモサウンド。斬新なアレンジもトリッキーなギミックも無く、ひたすらストレートに突き抜ける爽快さ。その美麗なヴォーカルハーモニーと畳みかけるような絡み合うツインギターのオクターブリフは、当時を駆け抜けたミドル世代以上の心を確実に熱くするはずだし、失われたその時代に想いを馳せる若い世代のキッズのハートにもきっと響くに違いない。「レガシー」=過ぎ去った時代の価値をただ懐古的に追うことではない。それを継承し、体現する者たちがいてこそ、その真価は発揮されるはず。Neighboring Soundsはまさにそんな存在だし、本先「Cold in the Smart City」には、90年代から現在までを駆け抜けたエモの真髄が、熱量たっぷりにパッケージされている。