今回、韓国で活動するcotobaのファーストアルバムの日本語盤リリースを記念して、メンバーに日本語でインタビューを行いました。メンバーの3/4は、日本語が堪能で普通に会話もできるし、日本語でしっかり受け答えをしてもらいました。特にベースを担当するSEIちゃんは日本語検定の資格もあり、その話しぶりは日本人そのままでした。彼らのバンドの魅力を十分に伝わるようにいろいろと質問をしました。是非、ファーストアルバム「4pricøt」を聴いていただき、このインタビューを読んでもらいたいと思っています。

Friend of Mine Records 佐藤 常敬

まず、初めに各メンバーの自己紹介や結成の経緯、また各メンバー特技・趣味などをお願いいたします。

Dafne 初めまして。プロデューサーのDafneと申します。特技はギターの演奏で、趣味はギターとエフェクターの収集です。2018年頃に初めて、VocalのDyoNの音源を僕がギター担当してからバンドの結成を話し合いました。お互いtoeやtricotに興味があり、彼らの長所を自分たちが作る音楽に当てはめたいと思いました。今年から、新しいメンバーのベーシストSEIとドラマーとMinsuhが加入して、新生のcotobaとしてスタートしました。

DyoN Joo VocalとギターのDyoNです。 趣味は、登山とベッドで漫画を読むことです。 特技は、ダジャレです。元々、私はシンガーソングライターとして活動している時に、ライブで偶然にDafneと知り合いました。 彼が演奏するギターの音がすごいなと思って、私の音楽にギターを弾いてもらえないかなと尋ねたことから、自然にバンドを結成することになりました。

SEI 初めまして、ベースを担当しているSEIと申します。よろしくお願いします。私の趣味は、プランナーにシールを貼って可愛くて綺麗に飾ることです。最近は、柔道も始めました。体を鍛えることに興味があります。特技は、日本語です。昔から日本語に興味を持って、頑張って勉強してJLPTの2級の満点を取っています。これからも日本語を上達させたいと思います。

Minsuh 初めまして。ドラムのMinsuhです。僕の特技は、数学と化学です。趣味は、運動(スケートボード、ジム、ランニング等)とゲームとテトリスです。最近はNintendo Switchを買って楽しんでいます。

バンド名の「cotoba (言葉)」は、日本語から付けたと思いますが、なぜ「言葉」という単語を選んだのか教えてもらえますか?

Dafne 元々「言葉」自体に興味を持って、強く引かれていたからです。僕は、詩が好きです。一番好きな詩の特徴は、含蓄されている言葉で段落と段落の間に、そっと挟まっている白いスペースです。詩語の蓋然性の有無や程度の差に関しては詩人の間で意見が様々ですが、僕はそういうこと自体が好きでした。音楽も「言葉」、即そのままのことだと思い、原論的に名付けたかったのです。含蓄的な詩語が重要である詩でありながら、イメージの蓋然性がきちんと編まれている詩が良い詩です。しかし個人的には、詩人の意図を把握し難い、破片のような単語を集めた詩がより魅力的だと思います。この特性が初のEP「言葉の形(form of tongue)」の音楽に反映されています。

DyoN Joo 言葉にならない感情を音楽で表現したいと思いました。言葉と言葉の隙間を音楽で埋めたいと思っていました。

2019年の最初にリリースしたEP「form of tongue」はマスロックが好きな人たちから高い評価を得ていたように思いましたが、その辺の音楽性を意識していましたか?

Dafne そうですね。上述のように僕が作る音楽に、自分が好きな詩のある形を反映しています。それがマスロックの文法と共通点があったと思っています。また、曲のタイトル、リズムやコード、メロディーで音楽を聴いている人がある場面や感情を浮かばせることに念を入れました。一般的な見解では、確かに歌詞の量も少なくて大衆的ではありませんが、私たちが組み合わせた音のイメージがリスナーにアピールできていると思います。心像は、詩で一番重要なところでもあり、結局繋がっているのかと。

DyoN Joo マスロックの言語とそれに関わらない何かを同時に並べたいと思いながら作りました。

デジタルでの1stシングルとして「Loss」を韓国語と日本語ヴァージョンを同時にリリースしていますが、将来的に日本での活動を考えてリリースしましたか?また、日本からも反響はありましたか?

Dafne そうです。日本での活動を念頭において日本語でリリースしました。日本ツアーの時にも必ず演奏して、ライブ現場での反応も良かったです。「Loss」は、僕が書いた習作詩でした。名前の通りある喪失に関する曲です。「Form of Tongue」には歌詞が少なかったので、今回は歌詞を中心に作ってみました。

2020年にリリースしたEP 「Name of the Seasons」 でも、“真夏の昼間”、“雨”、そして2nd 3rdシングルも両ヴァージョンをリリースしてきましたが、やはり韓国と日本の両方での活動を視野に入れているということですか?

DyoN Joo そうですね、日本のリスナーにたくさん聴いて欲しかったです。もう1つの理由は、一つの曲をいろいろな言語で歌うこと自体に興味があります。 1つの言葉では心の全てを語れません。だから言葉を重ねて文章を作り、歌詞にします。そして 踊りや絵と音楽などが言語に欠けている意味を満たしてくれていると思います。
また、似ている一つの単語に含まれている範囲は、それぞれの国の言語によって違います。 例えば「愛」と「사랑」と「Love」、「寂しい」と「외롭다」と「lonely」はある意味で同じですが、完全に同じ意味ではないです。 それを歌詞で表したいという気持ちが強いです。

その後、2019年から2020年にかけて京都・大阪・奈良と来日公演を行っていますが、どのような経緯でライブをすることになって、なぜ関西方面を中心に選んだのでしょうか?その時点では東京でライブをする考えはなかったのですか?

Dafne 日本のバンドが好きで、tricotが関西で活動していたので、まずそこに行ってみたかったからです。

DyoN Joo Elephant Gymが梅田のシャングリラでライブしたのを見て、その現場の景色が綺麗だなと思い、ライブハウスに連絡させて頂きました。 また、憧れのtricotが京都のMOJOで、長年活動拠点にしていたことや、 NEVARLANDも同じ感じです。次回は、東京にも是非行きたいです!2022年に、必ず会いましょう!